2009年02月

治療家にとって大切な要素

だと思います。

治療中、検査と関係なしにふと気になって聞いたりします。
「最近、風邪ひきました?」
「お菓子好きですか?」
「ペット飼ってます?」
「コーヒーよく飲みます?」
「交通事故あったことあります?」
全く的外れなこともありますが、そこから一気に治療がすすむこともあります。
超能力的な感じもありますが、普通のカンです。

カンだけで治療するというのは、一見職人的でかっこいいけど、当たりハズレが大きいですし、プロではないように思います。
しかし、検査してその結果にだけ基づいてやっていく治療は、人間味が無く、ホリスティックではないと思います。
このさじ加減というものが大切です。

手から感じ取る能力というのは何かすごいものがあるようで、触診が鍛えられるとこの直感力は上がるように思います。
手が脳の領域の多くを使うことと関係しているのかもしれません。
「一本の髪の毛を電話帳にはさんで髪の毛を感じる練習をする」というのは、カイロプラクターやオステオパスがよくやる練習です。
集中力と手の能力を養います。
面白がってやって見てください。

キネシオロジー的筋反射の練習も、この直感力は高まります。
ただ、筋反射を純粋にやるよりも、自分の直感と事実と筋反射をすり合わせる方がいいみたいです。
やはり直観力の高い人のキネシオロジーの方がいい結果がでるように思います。
筋肉に聞くから関係ないというものではないようです。
結局、人間の直感を筋反射という手法で増幅しているのだと思います。

殺人事件ではありません。

先日、ある方があまりにも体調が悪そうだったので少し治療してあげました。
頭がボーっとするのと、お腹がはって苦しいようでした。
その少し前から風邪をひいていて、それが完全に治りきってないような感じでした。

肩首の筋肉のコリを取る施術
リンパと血液の流れをよくする様な施術
お腹の張りを取る施術
身体の免疫力をあげる施術
胃腸の働きを挙げる施術

だいたい40分ぐらいでしょうか。
ずいぶん楽になったようでした。
「明日もしかしたら猛烈にしんどくなるかも知れないよ」
と説明したのですが、お忘れだったようで。
数日後、
「次の日、身体がバラバラになるかと思った」
といわれました。
まぁ、そのあと良くなってるんですけど。
コレいわゆる揉み返しといっていいのかどうかは???

『揉み返し』の本当の意味は、
按摩をして、反動が出るので、それを次の日もう一度揉む事を『揉み返す』といいます。

風邪が治ってから尚調子の悪い方などは、ウィルスがどこかで潜んでいるのか、血流を良くする施術をすると、次の日だるかったり、熱が上がったりする事がしばしばあります。

『いのちの輝き フルフォード博士が語る自然治癒力』
の中にも、
「たとえば、治療を受けてから七十二時間は一〇トン・トラックにひかれたかと思うほどの苦しみを味わう事になるかもしれない。しかし、その時期がすぎたら、からだが自然に再調整を始めると告げられていれば、心配することもなくその苦しみに耐えられる。」
この話は、医師と患者のコミュニケーションの話で出ているのですが、オステオパシーの世界でもこういう事が確認されているということなわけです。
「こういう状況を出さないように治療するのもウデの内」
といわれれば返す言葉はないですが、普通にありうるということなのでしょう。

施術前に背中にクライオセラピーをして、施術後少しだけお風呂で温まってもらって、水分をよくとってもらうと、あまりこういう事が起きないように感じます。
そういうことが出来そうに無い時は、今のところ覚悟してもらうしかない。
でも、何にもおきない人も多いのが、こういうもののよく分らないところでもあります。
ある種のパターンはあっても、やっぱり一人一人違うんです。

ヒーリングの方がやっているチューニングフォークの話ではないです。

数年前、静岡のある先生が面白い現象を見せてくれました。
使うのは、ごく普通の脳外科用の128Hz-C- と聴診器
膝に問題がある人の膝蓋骨周囲に音叉を当てていきます。
膝関節の内側・外側、痛みのあるほうに聴診器を当てて音叉の音をモニターします。
そうすると、不思議な事に1~2箇所音が聞こえなくなるポイントがあります。
膝の調整をします。
この時の方法は、患者が仰臥位になります。
術者が両手で膝関節(大腿骨と脛骨)をしっかりホールドします。
患者は、ベッドから足を浮かさないで、ゆっくりかつ真っ直ぐ膝を曲げていきます。
術者は膝のアライメントが狂わないように少し矯正します。
曲がりきったところで、さらに正しいアライメントに矯正してホールドします。
その状態を保ったまま、患者にゆっくり膝を伸ばしてもらいます。
もう一度、膝蓋骨のまわりに音叉をあてて、聴診器でモニターします。
矯正がうまくいっていると音が消えるポイントがなくなります。

時間がかかるけど音叉をあて続けるだけでも変化はするようです。
音叉で頭蓋骨の調整の研究もしていらして、とても研究熱心な方です。

この方法、いろいろな部位で使えるなぁと感心したんですが、いまだにお蔵入りしている治療法です。
音の吸い込まれてしまう所をモニターして、そのブロックを取り除く治療をする。
結構使えると思います。

治療家それぞれに得意な手技があると思います。
カイロプラクターであればアジャストメント。

治療の優先順位の高い頸椎の問題があるとします。
ブレイクというオーソドックスな矯正法を用いたとします。
 ・アジャストが出来るようになったばかりの初学者
 ・治療歴は長くアジャストメントは出来るがカイロプラクティックはあまり好んでやらない施術者
 ・治療歴も長くカイロプラクティックに精通した施術者
いろんなタイプがいるでしょうが、この三人とも見た目は同じように矯正できます。
でもおそらく結果は違います。
精度が違うというのでしょうか。
でも、どれも頸椎の検査的には問題なしの状態になります。
でも症状改善につながるアジャストと、つながらないアジャストがあるように思います。
「その方の場合はそのアジャストは必要なかった」とかではないと思います。
明らかに質が違うのです。
ただ矯正したものと、何かに届いた矯正があるのです。

私的経験でも、動いたけど効かない矯正をされると
「あ~・・・」
「いいんだけど、いいんだけど、ダメ!」
と感じます。
なんか届いてないという感じなんです。
治療として成り立ついい矯正をされると、
「おおっ、きたぁ!」
という感じがします。
そして全身から何かが変化するような感覚があります。

何か治療法、手技云々を越えた何かがると感じます。
身体的な何かなんだけど目に見える形ではない。
しかし、いわゆる「気」とかではないと感じています。
単純な治療でかなり広範囲な症例に結果を出す達人は、無意識にこの何かを会得しているのかも知れない。

もひとつ
私的偏見かも知れないが、キネシオロジー的な筋反射テストから治療に入った人に、実は、この感覚が弱い人が多いように思う。
「患者から筋反射で感じ取る事」
は上手いのだけど、
「自分から何らかの出力をして患者に何らかの刺激を入力する」
が下手というか、筋肉テストでは変化がおきるようにできるのだけど、治癒につながらないというか。
ちゃんと筋肉テストをすれば、そんなことおきるはず無いんだけれど、実際はそうなっているような。
そういう意味では、マッサージ的な手技で何かを感じ読み取りながら、同時に刺激を出力するという練習は大事なのかも知れないです。
というか、マッサージ的手技で治せるようになると、他の手技の精度が上がるような気が最近しています。

さらに考えると、アクティベータなどの器具を使う手技は、手と患者の間によけいな物がある分、技術的な難易度が増すのではないか?
と思えてしかたがないです。
なのに、いわゆるデバーシファイドテクニックが苦手な人がこぞってこの手技をやろうとする。
そして効かない治療法にされてしまう。

先日知り合いが
「年末にぎっくり腰になった」と
すでに治っている様子だったのですが、その少し前にから低反発マットレスを使っているからかもとの事。
私は、多分「それあるかも知れないな」と思います。

「あまり寝返りを打たなくなるから良い」というのが、宣伝文句のひとつです。
それが無理なくグッスリ眠れている証拠だと。
寝返りを打つのは良くないのか?
普通は、寝返りを打つ事で体圧を分散しています。
そうしないと褥瘡、いわゆる床ずれになります。
寝返りを打つ事によって自己治療をしているともいわれていますが、それはよく分りません。
そのような気もしますし、そうでもないような気もします。

子供は寝返りをよく打ちます。
大人になって、さらに高齢になってくると、あまり寝返りを打ちません。
でも、寝返りを打たない大人の方が身体の調子は悪いです。
私の自論ですが
「人は、常になんとなくモゾモゾ動いている方が健康である。」
と思います。
以前紹介した、冷凍療法をするリウマチ村の治療法のひとつに、コワバリのある関節を機械的に動かし続ける装置を就寝時につけて置く、というものがありました。
そうすると、朝コワバリが無いそうです。
ギックリ腰や五十肩、見た目の運動量の少ない事務職や運転手に多い事からもそう思います。
身体は、起きていても、寝ていても、ある程度体を動かして体液を循環させたり、筋肉や関節を動かしている方が健康に良いのではと思います。

ここまでで何が言いたいか。
低反発マットレスで寝返りを打たないのは、よく眠れているからではなくて、身体が沈み込むから寝返りが打ち難いのではないか?
かえって、寝ているときの自然な運動を妨げているのではないか?
という事です。
低反発マットレスでよく眠れるようになった話も聞くので、そのあたり一概に言い切れないのですが、絶対身体に良いものではないように思います。
ある状態から回復するために、一時的に使うのが効果的なのではと予測しています。


西式健康法というものがあります。
合掌合蹠 金魚運動 毛細管運動 断食生食 温冷浴法・・・etc.
 ・西式健康法
その中にある就寝の仕方は、低反発の真逆なのです。
平で硬いところに寝ます。
わざわざ板を敷いてそこに寝るようなこともするようです。
枕も木や陶器のかまぼこ型のものを使います。
これが良いのだとか。

どちらが良いともいえませんが、私がするなら西式だと思います。

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